20XX年、うだるような暑さの8月某日――
東京・銀座四丁目交差点中央に、突如巨大な『 門 』が現れた。
中からなだれ込んできたのは、見目醜悪な怪異の群れ、そして剣や弓を携えた謎の軍勢。
彼らは何の躊躇いもなく、奇声と雄叫びを上げながら、そこで戸惑う人々を殺戮しはじめる。
無慈悲で凄惨な殺戮劇によって、瞬く間に血の海と化した銀座。
政府も警察もマスコミも、誰もがこの状況になすすべもなく混乱するばかりだった。
「皇居だ！ 皇居に逃げるんだ！」
ただ、一人を除いて――
これは、たまたま現場に居合わせたオタク自衛官が、たまたま人々を救い出し、たまたま英雄になっちゃうまでを描いた、
7日間の壮絶な物語――
陸上自衛隊三等陸尉。32歳。オタク。
同人誌即売会へ向かう途中、『銀座事件』に巻き込まれる。
銀座四丁目交番に勤務する女性警官。21歳。
周囲からはしっかり者に見られがちだが、本来は不器用で気弱かつ初心。
5歳の三つ編み少女。
両親と買い物中、『銀座事件』に巻き込まれる。
政治家。笹倉内閣財務大臣。
嘉納とは同志。
政治家。笹倉内閣防衛大臣。
伊丹とは知己の仲。
陸上自衛隊二等陸尉。
『銀座事件』をきっかけに、伊丹と腐れ縁になる。
